ハナミズキ [絵]
祖父に頼まれていたハナミズキの絵を
やっと描きあげました。
戦後、アメリカに桜を贈ったお返しに
日本にやってきたのがハナミズキです。
当時はまだ誰も見たことがなくて、
でも花が咲くととても美しいのでみんなが植えたがり、
造園家の祖父はその依頼に応じて
随分いろんな所に植えにいったそうです。
おかげで随分儲からせてもらった。
という、思い入れがあるのだそうです。
ハナミズキは5月頭あたりに咲き出し、
結構散るのが早いです。
二子玉川界隈はハナミズキがたくさん植えてあるので
観察できるわと思って近づいた所.......
高い。。。。
思ってた以上に高い位置で花が咲いており、
全部見上げる形でしか見れませんでした。
しょうがない、資料かき集めてなんとか描きました。
サイズはF6号。下図用の紙に構図を考えながら下図を描きます。
チャコペーパーが見当たらないので、しょうがなく
紙の後ろに木炭を塗りたくり、本画に転写。
転写する前に本画には下地として黄土を塗っておきました。
骨描き、多少隈取りを施します。
どんどん彩色していきます。
一通り花を描いたら、背景の色を考えます。
この時点でまだどのような背景色にするかは決まっていません。
よって、色んな色が入ってすごいことに......
折角描いた花が消えそうですが、花と背景は一度馴染ませる必要があります。
背景にとりあえず色を置いたら、再び花を描き起こします。
この繰り返しです。
とにかく赤い色の難しさと言ったら......
背景にうっすら空を感じさせるような爽やかな空色を入れたいのですが、
白はいいとしても、赤に合う空色の具合を考えているうちに
なんとなくオレンジがかったベージュが入ってきて。
ベージュと空色を交互に塗り重ねては洗って......の
繰り返し、風合いを出すために金泥をかけたりもしました。
うっすら空色を出すのに一苦労。
この作業と同時に花も描いています。
白い花はいいのですが、赤い花は手間がかかりました。
完成。
ちょうどお教室の展示に講師作品を出品しなければ
ならないので、額装して展示。
客観的に見れていいです。
そして、お待ちかねの祖父の元に納品。
いたく気に入ったご様子。
よかった。
少しは祖父孝行できたのではないか?
と思っています。