作品紹介⑧ [絵]
庭いっぱい。
F3 紙本着彩 金泥
梅は春告花と呼ばれる
春の使者です。
風はまだ冷たい。
でも地面からワクワクした気が
立ち昇ってくる。
香りと一緒に
紅、桃、白の花が開く。
桜が持つ儚さとは対照的な力強さが
私は好きです。
梅を取り囲む暖かい空気を出すのに
時間がかかりました。
虹を待つ
F3 紙本着彩
芽吹きの時。
春雨が降るごとに
緑が増してくる。
春先の雷は
地中に眠る虫たちを起こすためだと
祖母から聞かされたものです。
何もない空間、空気感を表現するのが
何より難しいところです。
作品紹介⑦ [絵]
産卵する花
S100号 紙本着彩
卵を抱えた花が
海を見たら産気づいてしまった。
花が産卵?
花は産卵なんてしません。
常識です。
しかし、現在
ホタルの遺伝子が入ったトルコキキョウがあるくらいです。
カニの遺伝子が入った花があったって
おかしくはありません。
カニの遺伝子?
あなた笑ってらっしゃったけど
笑い事ではないのですよ。
ヒトの遺伝子が入った米まで出現して
これはもう
共食いです。
作品紹介⑥ [絵]
手の届かないところ
F50 紙本着彩
手の届かないところ
S50 紙本着彩 箔
なぜ海とセットにして描くのか。
海は生命の源であり、私たちもそこから這い上がって
進化してきたと言われています。
広大な海に母性を感じたり、
波の音に懐かしさを感じたりするのは
そのせいだと言えるでしょう。
私たち多くの生物は純粋な自然の産物です。
けれど、勝手に都合のいいように
人工的に作られたものは、
見た目はなんら他の生物と変わらなくても
原点は違うのではないか。
しかも望んでそうなったわけでもない。
それらが海と対面した時、
何か違和感を感じるのではないか。
生命の源である海に、憧れを抱くのではないか。
という、私の勝手な想像の図です。